禁煙ガイドブック

禁煙補助薬 競争激化

保険対象 追い風に製薬各社、開発急ぐ


 タバコをやめようとする人向けの禁煙補助薬をめぐり、製薬会社の動きが激しくたってきた。市場をリードする外資が医療用での国内承認を目指す一方、国内製薬会社は外資と共同で新薬投入を計画している。医療機関での禁煙指導が公的医療保険の適用のたいしょうになったことや、国の健康づくり施策「健康日本21」に喫煙率引き下げの数値目標が盛り込まれる方針となったことなどが追い風になり、市場規模の拡大が見込めるためだ。
製品名 ニコチネルTTS 二コレット
製薬会社 ノバルティス
ファーマ
ファイザー
国内での
発売時期
1999年5月 2001年9月
用法、
効能など
1日1回、1枚を上腕部などにはる。ニコチンが皮膚から体内に浸透し、タバコを吸いたいという欲求を軽減する たばこを吸いたいと思った時に、1回1個をかむ。ニコチンが口内の粘膜から体内に吸収され、禁煙時のイライラ感などを軽減する
自己負担
費用
約1万2000円 1万円から
4万3000円程度
二コレットの発売時期は、一般用医薬品としての発売時期。自己負担費用は、基本使用期間の3ヶ月間使用した場合。数字に開きがあるのは、禁煙開始前の喫煙本数によって使用個数がことなるため
ニコチネルの自己負担費用は、保険の適用上限の5回の外来診療を受けた場合

■売り上げ急増


 世界4位の医薬品メーカー、ノバルティス(スイス)の日本法人、「ノバルティス ファーマ」が製造、販売するはり薬タイプの禁煙補助薬「ニコチネルTTS」は、今年6〜7月の売上高が前年同期比で約2.5倍に急増した。

 ニコチネルは、医療用の禁煙補助薬として国内で唯一使用が認められている。4月の診療報酬改定で、禁煙指導の受診に保険がきくようになったことを受け、ニコチネルも6月から保険の対象にことが、販売増の主因だ。

 製薬世界最大手の米ファイザーも6月、医療用の飲む禁煙治療薬「バレニクリン」の日本での製造、販売に関し、厚生労働省に承認を申請した。米国内ではすでに8月に発売済みで、近く欧州連合(EU)でも発売する予定だ。

 国内勢では大正製薬が、英グラクソ・スミスクラインとともに、はり薬タイプの禁煙補助薬の共同開発を進めている。

■条件緩和


 厚生労働省は従来、禁煙は個人の意思の問題と位置づけ禁煙指導にかかる費用は、全額自己負担だった。しかし、禁煙によってがんや心臓病などの病気が減れば、医療削減につながるとして、保険適用で禁煙指導の受診を促すことにした。

 現状、禁煙指導へ保険を適用するには、対象患者が「一日の喫煙本数に喫煙年数を掛けた数が200以上になる」などの基準があるほか、医療機関にも「敷地内すべてを禁煙にする」などの条件がある。

  厚労省は、保険適用で受診状況や禁煙成功率が上がったかどうかを見極め、2008年にも保険適用の条件緩和が必要かどうかを判断する方針だ。条件が緩和されれば、禁煙補助薬に対する需要はさらに高まるとみられている。

■大衆薬でも


 ドラッグストアや薬局などで買える一般用医薬品(大衆薬)でも禁煙補助薬を巡る各社の動きは活発だ。

 「ノバルティス ファーマ」は9月、製薬大手の第一三共と続けてきたニコチネルの大衆薬版の共同開発を年内に終了し、その後は単独開発に切り替えると発表した。日本の大衆薬市場を本格開拓する主力商品とする狙いとみられる。

 米ジョンソン・エンド・ジョンソンは、ファイザーから大衆薬部門を年内に買収するのに伴い、同社が製造していたガムタイプの禁煙補助薬「二コレット」も手中にする。「二コレット」は05年に70億円を売り上げ、「年間10億円売れば大ヒットとなっており、今後の販売戦略が注目される。

読売新聞より

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